概要
Capital Oneは、数百万もの顧客に、オンラインサービスをはじめとするリモートバンキングサービスを24時間365日提供しています。また、商業的な事業も充実しており、社内外の開発者に対して、同社のサービスやシステムを活用するよう求めています。これは、金融コンプライアンスに関する厳格な連邦法を遵守しながら、安全に行われなければなりません。さらに、長年にわたり銀行の統合が進められていることから、Capital Oneには最新システムやレガシーシステムを含む多様な社内環境があります。
課題
Capital Oneのミドルウェアサービス担当部署のマスターソフトウェアエンジニアであるヴィニャック・フラワール氏によれば、Capital One社内のインフラは管理が複雑で、高い運用コストがかかっていました。
Capital Oneでは、さまざまなタイプのトラフィックを管理するために、3つの異なる商用APIゲートウェイ製品を使用していました。REST API用のゲートウェイ、SOAP API用のゲートウェイ、外部からアクセスされるサービス用のゲートウェイの3つです。これはつまり、変化し続ける環境に対応するために、チームは絶えずゲートウェイの設定を個別に行っていたということです。何らかの変更を加えるときは、1回ではなく、常に3回行う必要がありました。
チームでは、SOAPとRESTの両方に対応し、しかも安全な方法で大規模に行えるソリューションを必要としていたため、これらのゲートウェイのリプレースは容易なことではありませんでした。
ソリューション
NGINXにより、信頼できる拡張性の高い方法で、SOAP、REST、セキュアな外部トラフィックをルーティングできるようになりました。フラワール氏とチームは、1つのNGINXサーバーグループで、APIトラフィックのルーティングに関するすべてのニーズに対応でき、さらにレイテンシーを発生させずに運用することができるようになりました。
NGINXのソリューションは、以前の3つの商用版製品に代わるジョブを処理するだけでなく、少ないサーバー数で同量のトラフィックを処理できるため、パフォーマンスが大幅に向上しました。2017年12月にNGINXソリューションに移行後は、Capital.com全体を完全にNGINXを介してホスティングしています。
成果
NGINXソシューション移行の成功事例により、Capital Oneの社内チームは、アプリケーション開発向けに NGINXをベースにした独自の社内プラットフォームをパッケージ化しています。このプラットフォームは、開発者の設計基盤としてNGINXの拡張性の高いロードバランシング機能とAPIルーティング機能を利用できるよう設計されているため、開発者は最初から拡張性の高いWebの構築を行うことができます。
Capital Oneについて
Capital Oneは、4万9,300人以上の従業員を擁する、米国内最大級の金融機関です。顧客は、クレジットカード、自動車ローン、住宅ローンなどの融資サービスを利用しています。また、2017年の時点で、融資残高が660億ドルを超える大規模な商業信用事業を展開しています。Capital Oneはグループ全体で年間270億ドルの収益を上げています。また、ホッケーチームのワシントン・キャピトルズが本拠地とするアリーナや、NCAAカレッジフットボールのボウルゲーム(旧フロリダシトラスボウル)のスポンサーも務めています。