2022年8月23日より3日間にわたり、米国にてオンラインユーザーイベント 「F5 NGINX Sprint 2022」を開催しました。本ブログでは、今後の製品戦略などに関連する基調講演の内容など、主な講演2本を、日本語字幕付きでまとめています。ぜひご視聴ください。なお、同イベントでは、そのほかにも数多くのテクニカルセッションを提供しています。オンデマンドで視聴できますので、F5 NGINX Sprint 2022の特設ページもチェックしてみてください。
基調講演1
「NGINXとオープンソース、そしてユーザーとともに歩む、さらなるイノベーション」 (NGINX, Open Source, and You – Another Decade of Innovation)
今回のSprintのテーマは「NGINXの世界をさらに深く~Deep Dive into the World of NGINX」と題し、NGINX担当ジェネラルマネージャーのRob Whiteley(ロブ ホワイトリー)より、NGINXがこれからも高い信頼性と、高安定性、スケーラビリティを提供し、お客様のモダン・アプリケーションを強化するテクノロジーツールであり続けるためのビジョンについてお話します。
また、これからもNGINXがオープンで、革新的かつコミュニティ主導であり続けるためのF5の新しいコミットメントを共有します。
本講演でお伝えした主な内容をまとめると、下記のような内容です。
- NGINXは、デベロッパーエクスペリエンスの向上やオープンソースのセキュリティを重要視しており、NGINX Plusの重要機能をオープンソース版に移行していきます。
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新機能の定期的な提供をこれからも続けていきます。
- – HTTP/3, QUICのメインラインおよび安定版での対応
- – NGINX JavaScript(NJS)による容易な機能拡張の実現
- – WebアプリケーションサーバNGINX Unitのさらなる機能拡張
- – Infrastructure as Codeとしての生きたリファレンスアーキテクチャを作成するエコシステムアプローチModern Apps Reference Architecture(MARA)のリリース
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今後取り組んでいく方針として、開発環境をスマートに向上させる「モダナイズ」、市場の最新技術を取り込んで使いやすさを向上させる「オプティマイズ(最適化)」と、NGINXに新たな価値をもたらす「エクステンド(能力の向上)」の3つを掲げ、それぞれを結実させていきます。
- – GitHubへの移行と全面的活用(GitHubファースト)
- – 公式Slackチャンネルの開設(コミュニティファースト)
- – ネイティブなSaaSエクスペリエンスでNGINXを強化
- – DNSサービスディスカバリーなどNGINX Plus機能のオープンソース版への移行(予定)
- – Kubernetes Gateway APIの発表(パブリックベータ版をGitHubのNGINXリポジトリで公開)
- – NGINXオープンソースインスタンスを監視するための無料監視サービスNGINX Amplifyの刷新
- 今年のSprintでは、3つの発表を行います。公式リファレンスとなるKubernetes Gateway APIの公開、全面的な刷新を行ってSaaS製品として公開したNGINX Amplify、従来にないAPIドリブンのダイナミックコンフィグレーションを可能にするNGINX Agentの提供です。
オープンソースの多様なソフトウェアは、コミュニケーションや仕事のやり方を変え、生活の大きな部分を占めるようになり、人々に多くの価値をもたらして確実に世界を変えてきました。
F5 NGINXは、コミュニティとの対話を重視し、次の10年の進化に対応する製品や機能をこれからも提供していくとともに、開発環境の最適化を図り、高い信頼性と安定性および高パフォーマンスにフォーカスした開発を続けていきます。
基調講演2
「新たな未来を生み出す旅:オープンソースからスケールアウト、セルフサービスまで」(Inspiring the Journey: From Open Source to Scale Out to Self Service)
もう一つの基調講演では、NGINXのプロダクト担当バイスプレジデントのEric Braun(エリック ブラウン)より今後の製品開発に関するコミットメントを、続いてSaaS担当ディレクターのMona Khabazan(モナ カブザン)がNGINX Amplifyを、NGINX Plus and platform担当ディレクターのNina Forsyth(ニーナ フォーサイス)がNGINX Agentを、それぞれの最新版をデモとともにご紹介します。
カスタマージャーニー(NGINXの初心者が学び、スキルを蓄えてやがてPlatformOpsをリードするまでの道程)が、効率的でかつ、デリバリーのスピードアップもサポートするために、ドキュメントの拡充やコミュニティの強化、ツールのオープンソース化など、開発者にさらなる価値を提供していきます。
NGINX Amplifyの紹介では、Overview、Graph、Dashboard、Analyzer、Alertをそれぞれデモで紹介。簡単かつ視覚的に豊富なステータス情報を取得できるパフォーマンスアドバイザーとして、将来の機能追加についても言及します。
オープンソース化が発表されたNGINX Agentの紹介では、NGINX Agentにより構成されるNGINX Instance Managerをデモで紹介。アプリケーションの自動化に伴って必要となるNGINXの構成やメトリック、イベントの表示を視覚的に確認できる有効なツールであることをご説明します。
近年、NGINXは、セキュリティとガバナンスの強化にも重点を置いています。それを組み入れた成果としてNGINX Management Suiteを発表しており、Kubernetesにおいても同様にService to Serviceの暗号化やmTLSのサポートをリリースする予定であることを明かにしました。
これからのNGINX、オープンソースの革新的な発展と機能拡張、それにともなうデジタルトランスフォーメンションの新たな未来を想像させる多くの製品、機能をご紹介しました。
前述の基調講演のほかにもSprint 2022では、MARA、Service Mesh、Kubernetesをはじめとするワークショップやラボなど、数々のセッションが3日に渡り提供されました。 オンデマンドにて視聴が可能ですので、ご興味ある方は、ぜひご覧ください。